紛争解決とは、企業が契約トラブルなどの対立を管理し、解決するための手続きです。方法としては、交渉や当事者同士の合意による和解での解決を支援する調停から、第三者が両当事者の主張を判断する仲裁や訴訟といったより公式な手続きまで多岐にわたります。後者の方法では、仲裁機関や裁判所が当事者の主張を検討した上で、理由を付して仲裁判断や判決を下し、請求を認める場合には、損害賠償や訴訟費用の支払いなどを命じます。

本ニュースレターでは、企業が最適な紛争解決手段をどのように選択すべきか、英国内と国際的な手続の主な違い、そして将来起こり得るビジネス上の紛争にどのように備えるべきかについて解説します。

効果的な紛争解決が企業にとって重要な理由

ビジネスにおいて、紛争が生じることは珍しいことではありません。しかし、その対応次第で、取引先との関係性や、場合によっては企業の存続にまで影響を及ぼすことがあります。契約違反や債務の不払い、株主間対立といった問題は短期間で容易に深刻化しやすく、高額な訴訟費用の負担や当事者間の関係悪化を招く可能性があります。

効果的な紛争解決手段を用いることで、業務への支障を最小限に抑え、ビジネス上のリスクを軽減し、企業のレピュテーションを保つことができます。あらかじめ明確な戦略を立てておくことで、企業は紛争に柔軟かつ的確に対応でき、長期的な企業価値を守ることにも繋がります。

自社に適した紛争解決手段とは?

企業が紛争を解決する際には、以下のような選択肢があります。

  • 直接交渉(Direct negotiation):当事者同士が直接話し合い、和解を目指す方法です。多くの場合はこの手段から始めることになり、双方に譲歩の意思があれば、迅速かつ低コストで紛争を解決することが可能です。
  • 調停(Mediation):中立的な第三者である調停人が交渉を仲介しますが、当事者に対して決定を強制する権限はありません。非公開で行われ、裁判よりも対立的でないため、重要な取引関係を維持しやすいという利点があります。
  • 仲裁(Arbitration):紛争を仲裁人に委ね、仲裁人が法的拘束力のある仲裁判断を下します。仲裁も非公開で行われます。国際取引においてよく利用されており、仲裁判断はニューヨーク条約に加盟する多くの国で、裁判所を通じて執行が可能です。
  • 訴訟(Litigation):紛争を裁判所に持ち込み、裁判官が最終的な判断を下す方法です。通常、多くの時間と費用を要し、手続は公開されます。

英国内と国際的な紛争解決手段の違い

紛争解決の基本的な手法は世界共通ですが、重要な違いもあります。英国では、裁判所は、審理に進む前に裁判外紛争解決手続(alternative dispute resolution (ADR))を活用することを強く奨励しており、裁判官は、当事者に対して調停を試みるよう命じることができます。また、英国では、ディスクロージャー(証拠開示)が訴訟手続に組み込まれています。

国際的な紛争では、特に当事者の一方の管轄裁判所がその管轄内に所在する会社に偏った判断を下すことが懸念される場合には、中立的な紛争解決手段として仲裁が好まれる場合があります。

紛争のリスクを軽減するために企業が取るべき対策

紛争発生のリスクを軽減するため、企業は以下の対策を講じることが効果的です。

  • 明確な契約条項:準拠法や紛争発生時の手続(訴訟または仲裁など)を明記した紛争解決条項を契約書に含めることで、問題発生時の対応方法を明確にし、当事者間での認識のずれを防ぐことができます。
  • 適切なコミュニケーションと記録の管理:合意内容ややり取りを適切に書面化し、記録しておくことが重要です。多くの紛争は誤解から生じるため、明確な記録と率直な対話が問題の深刻化を防ぐ助けとなります。
  • 早期の法的アドバイス:紛争の兆しが見られた段階で、速やかに法的アドバイスを受けることが大切です。早期に専門家の意見を求めることで、状況に応じた最適な解決策を見つけることができます。

3CSにできること

3CSの紛争解決チームは、企業の紛争を迅速かつ費用対効果の高い方法で解決するための豊富な知識と経験を有しています。契約書における紛争解決条項の作成支援から、戦略的なアドバイスの提供、調停・仲裁・訴訟における代理業務まで、幅広く対応可能です。

ロンドンおよび東京に拠点を持つ3CSは、英国企業・国際企業の双方に対して、明確で実践的なアドバイスと的確なサポートを提供します。紛争解決に関するご相談は、ぜひ当事務所までお問合せください。

 

Jonathan Cohen

3CSコーポレートソリシターズ

リーガルアドバイスに加え、ソリューションを提供
お問い合わせ

お問い合わせ

3CSコーポレートソリシターズ


ロンドンオフィス
English (United Kingdom)
60 Moorgate, London EC2R 6EJ
+44 (0)20 4516 1260
info@3cslondon.com
地図を表示


東京オフィス
 Japanese
〒100-0005 東京都千代田区丸の内1-8-3
丸の内トラストタワー本館 20階
+81 (0) 3 5288 5239
info@3cstokyo.com
地図を表示

 

Please enter your name
Please enter your phone number
Please enter your email
Invalid Input
Invalid Input
Please enter your name

クライアント


当事務所のクライアント
The Legal 500 - Leading Firm 2025

Registered in England & Wales | Registered office is 60 Moorgate, London, EC2R 6EJ
3CS Corporate Solicitors Ltd is registered under the number 08198795
3CS Corporate Solicitors Ltd is a Solicitors Practice, authorised and regulated by the Solicitors Regulation Authority with number 597935


Registered in England & Wales | Registered office is 60 Moorgate, London, EC2R 6EJ
3CS Corporate Solicitors Ltd is registered under the number 08198795
3CS Corporate Solicitors Ltd is a Solicitors Practice, authorised and regulated by the Solicitors Regulation Authority with number 597935