就労権利 (Right to Work) チェックとは何か？
英国政府は、従業員が国内で働く法的権利を有していることを確認するため、雇用主に対して就労権利のチェックを行うことを義務付けています。これらのチェックは、英国移民法を遵守し、不法就労を防止するために必要なものです。就労権利のチェックでは、個人の移民状況を確認し、英国で合法的に働くために必要な書類を所持しているかどうかを確認します。雇用主は、国籍や民族に関係なく、全従業員の書類を確認する必要があり、特に、このチェックを行わなければ従業員の国籍を正しく把握することは出来ません。
就労権利 (Right to Work)を証明するために使用可能な書類は何か?
英国で就労権利を証明するために使用できる書類には、パスポート、生体認証滞在許可証（BRPカード）、ビザ、またはこれらの書類の組み合わせがあります。ただし、BRPカードまたはデジタルビザを所持している方は、内務省 (Home Office)の オンライン就労権利チェックシステムの利用が義務付けられ、BRPカードのコピーを取るだけでは認められなくなったことにご留意ください。書類をチェックする場合、書類は確認者が物理的に所持している必要がありますが、ビデオ通話で遠隔操作をすることも可能です（書類の写真と従業員の容姿が一致していることを確認するため）。
記録はどのくらい保管しておく必要があるか？
従業員は書類のコピーを取り、個人の雇用期間中および退職後2年間保管する必要があります。同様に、オンラインチェックサービスを利用する場合は、書類のPDFまたは他の電子記録を同様の期間、安全に保管しておく必要があります。
就労権利 (Right to Work)のチェックを怠るとどのような結果になる可能性があるのか？
雇用主が就労権利のチェックを怠ったり、意図的に不法就労者を雇用した場合は、不法就労者当たり最大20,000ポンドの罰金が課せられる可能性があります。金銭的な罰則に加え、雇用主は刑事訴追を受ける可能性があり、懲役や罰金（無制限）、罰則を科せられた雇用主が内務省 (Home Office)の“name and shame”リストに載ることによる評判へのダメージも含まれます。
いつ、どのように、就労権利 (Right to Work)のチェックを実施する必要があるか？
雇用主は、英国移民法を遵守するために、内務省 (Home Office)の特定の要件に倣って、就労権利のチェックを正しくを実施することが重要です。これらのチェックは、雇用を開始する前に行うべきであり、雇用主は就労ビザ（技能労働者 (Skilled Worker)ビザ、グローバルビジネスモビリティ (Global Business Mobility)/企業内転勤 (ICT)ビザ等）を所持する人等、英国で就労することを期間制限付きで許可されている人についても、繰り返しチェックを行う必要があります。
個人が書類を提供できない場合はどうするか？
また、雇用主は、個人が雇用主に対し書類を提供できない場合（通常、ビザ申請中のために書類が内務省 (Home Office)にある場合）、政府が提供するオンラインのRight to Work Checking Serviceを利用し、英国での就労権利をチェックすることができます。このサービスは、上記のオンラインチェックと混同しないでください。このサービスもオンラインシステムですが異なるウェブサイトであり、通常のチェックができない特別な理由がある場合にのみ利用することができます。
3CSにできること
結論として、就労権利のチェックは、英国移民法の不可欠な要素であり、これらのチェックが正しく行われるようにすることは雇用者の責任です。正しい手続きに則り、法改正を常に把握することで、雇用主はコンプライアンス違反による影響から身を守ることができます。より詳細なアドバイスやガイダンスについては、担当者までお問い合わせください。
