8月1日、英国政府は、ブレグジットを受けて廃止する予定であった欧州の「CE」セーフティーラベルについて、廃止するのではなく、引き続き使用することを表明しました。企業はこの決定を現実的な措置として評価しています。
CEマークとは何か?
1993年以降、EUの法的基準に適合していると評価された製品には、CEマークが表示されるようになりました。
CEマークとは、製品が安全衛生または環境保護に関するEUの指令に適合していることを示すシンボルです。このマークは、その製品がEUの基準を満たしており、欧州経済領域(EEA)およびトルコで販売ができることを製造者が確認したことを示すものです。CEマークは、品質表示や認証マークではなく、製造者によるEUの基準に適合していることの申告表示です。
CEマークには、適合性評価手続きに関与した認証機関を特定する4桁の番号が付される場合があります。欧州経済領域(EEA)内で取引される全ての製品にCEマークが必要というわけではなく、特定の指令や規制が適用される製品にのみ必要となります。
なぜCEマークは廃止されようとしていたのか?
英国政府はブレグジットを、企業にとって大きな負担となっていたEU規制を撤廃するチャンスだと称賛していましたが、コスト増と複雑さに直面し、かえって競争力が損なわれるという企業からの不満に応え、後にその計画の一部を縮小しました。
CEマークに代わるはずだったものは何か?
イングランド、ウェールズ、スコットランドで販売される製品について、CEマークは2024年12月から新しいUKCAマークに置き換えられる予定でした。北アイルランドは引き続きCEマークを使用することになっていました。UKCAマークは、製品が安全、衛生、環境保護基準を満たしていることを認証する予定でした。
UKCA認証にはどのような反対意見があったのか?
英国企業は、世界的に規制の影響力が非常に強いEUがUKCA認証を受け入れないため、英国外でのUKCA認証の意味が薄れてしまい、その結果UKCA認証の導入は追加の費用負担となると抗議していました。
報道によれば、欧州に製品を輸出する英国企業の中には、EU圏内のCE認証プログラムを利用し、国際的な認知度と価値を持つラベルを保持するために、EU圏内に事業所を移転した企業もあるとのことでした。
英国政府の計画変更のきっかけは何か?
政府は以前、業界の懸念に直面してこの政策(UKCAの導入)を擁護し、閣僚が商品規制を「管理」し、規制が英国企業に利益をもたらすことを「保証」するものだと述べていました。
しかし、ケビン・ホリンレイク政務次官は最近になって、「英国政府はお役所仕事と、ビジネス上の負担を減らし、企業に確実性をもたらそうとしている。我々は産業界の声に耳を傾け、成果を出すために業務を遂行している。」「英国におけるCEマークの使用を延長することで、企業は雇用の創出と経済成長に時間と資金を集中させることができる。」との声明を出しました。
また英国政府は今年初めに、全てのEU規制を年内には撤廃しないと発表し、この点でもブレグジット後の戦略は頓挫していました。
このニュースに対する産業界の反応は?
英国商工会議所は、CEマークが無期限で維持されることを称え、EUの認証システムの廃止を望むと表明していた企業はわずか8%であり、今回の決定の影響を受ける企業の59%がCEマークの維持を希望していることを指摘しました。
CEマークは全ての製品に使用されるのか?
ビジネス部門は、玩具、花火、リフト、無線機器、保護具など18の分野でCEマークの使用が無期限に認められると発表しました。つまり、これらの分野では、英国企業は新しいUKCAマークを使用するか、欧州の認定団体に製品の認証を申請してCEマークを維持するかを選択できるようになります。
英国政府は、医療機器や建設機械など他の分野に関する規則は、引き続き関係省庁が決定していくと声明を出しました。
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