先月の連合王国最高裁判所(Supreme Court)での敗訴を受けて、Uberは、英国の運転手を労働者として扱うことを発表しました。これは、Uberが以下のことを行うことを意味します。
- 2021年4月1日に91ポンドに上昇する、全国生活賃金以上の賃金の支払い
- 運転手の収入の07%に基づく年休手当の支払い
- 運転手全員を自動的に年金制度に登録し、Uberと運転手が年金を拠出
運転手との法廷闘争が始まった2016年以降、Uberは一貫して、自社は第三者の予約代行業者であり、自社の運転手は自営業者であると主張していました。しかし、連合王国最高裁判所(Supreme Court)は、Uberの運転手は自営業者ではなく、実際には「労働者」であり、Uberと運転手の間は「従属と依存」の関係にあったため、運転手は労働者に分類されるべきであり、最低限の法的権利、年休や年金の権利を有すると判示しました。
英国の雇用法のもとでは、従業員、労働者、自営業者の3種類の雇用形態があります。
- 従業員は最も保護されており、不公正解雇、法定解雇手当、疾病手当、家族休暇・手当など、すべての法定の雇用権利が与えられています。
- 労働者は、従業員よりは権利が少ないものの、全国最低賃金、有給休暇、不法な差別に対する保護などの権利が与えられています。
今回の判決は、偽りの自営業者が横行する「ギグ」エコノミーに大きな影響を与えることが予想されます。Uberは、今回の変更により乗客が支払う運賃が高くなることはないと述べているものの、柔軟性がビジネスモデルの中核をなす業界においては、これらの追加コストが消費者に転嫁されることになると思われます。
Uberは、運転手が乗客を割り当てられている時間や乗客を乗せている時間のみに基づいて収入を計算すると述べており、長期にわたる紛争は、これで終わりではないかもしれません。以前の下級裁判所では、「労働時間」は、運転手がアプリにログインして、乗客を乗せる準備ができた時点で始まるべきであるとされていましたが、顧客を待つ時間は含まれていません。
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