従業員は、労働環境や待遇に関する懸念を抱いた場合、苦情申し立てをすることができます。雇用主にとって、苦情申し立てに対して適切に対応することは重要です。不適切な対応は、法的リスクを伴うだけでなく、企業の評判にも悪影響を及ぼす可能性があります。本ニュースレターでは、職場における苦情申し立てへの対応プロセスについて解説します。 

苦情申し立て対応が重要である理由

苦情申し立てを無視すると、比較的軽微な問題が重大な紛争へと発展する可能性があります。苦情申し立てに適切に対応しない雇用主は、雇用審判のリスクを抱えることになります。また、意見を聞いてもらえないと感じた従業員は、退職し、未解決の苦情申し立てが原因で退職を強いられた(みなし解雇)と主張する可能性があります。これらの請求は、企業にとって多大な費用負担となるだけでなく、職場の士気や企業の評判を損なう要因にもなります。

苦情申し立てに迅速かつ適切に対応することにより、従業員を大切にしている姿勢を示すことができ、前向きな職場文化の醸成や不要な対立の回避につながります。

非公式対応 vs 公式対応

すべての苦情申し立てが正式な手続を必要とするわけではありません。非公式な話し合いによって効率的に解決できる場合も多くあります。オープンなコミュニケーションを促進する企業では、深刻な苦情申し立てが発生する可能性が低くなります。また、従業員が苦情申し立てを真剣に受け止めてもらえていると感じれば、正式な法的手続に訴えない場合もあります。

しかし、すべての苦情申し立てを非公式に解決できるわけではありません。したがって、いずれの企業も、正式な苦情を処理するためのプロセスを確立する必要があります。最も重要なことは、苦情申し立ての記録を明確に残し、解決に向けた具体的な対応を示すことです。

苦情申立手続のステップ

明確で体系的な苦情申立手続を確立することが重要です。雇用主は以下の点に留意する必要があります:

  • 非公式な報告の奨励: 早期の円満な解決を目指すためです。
  • 苦情申し立ての受理: 非公式な対応で解決しなかった場合、通常は正式な苦情申し立てが行われます。雇用主は正式な苦情申し立てを受理したことを明示し、従業員の懸念を真剣に受け止めていることを示す必要があります。
  • 迅速な調査の実施: 苦情申立処理においては迅速な対応が不可欠です。不必要な遅延は従業員の不満を増大させ、法的紛争につながるおそれがあります。
  • 解決策の決定: 調査やヒアリングの結果を基に、従業員に解決策及びその判断理由を通知します。
  • フォローアップの実施: 解決策が適切に実施されていることを確認します。これにより、将来的な紛争の予防につなげます。
  • 異議申し立ての機会の提供: 従業員が雇用主の決定を受け入れられない場合、異議申し立ての機会を提供します。

迅速な調査の重要性

苦情申し立て調査の遅延は状況を悪化させる可能性があります。雇用主は、証拠の収集、関係者への聞き取り、および問題の是正を迅速に行う必要があります。適時に対応を取ることで、従業員に安心感を与えるとともに、公平性への取り組みを示すことができます。

雇用主に時間や専門知識が不足している場合は、調査を外部委託することも可能です。3CSでは、常にコンプライアンスを確保しながら、徹底した、公平な苦情申し立て調査を実施いたします。 

助言斡旋仲裁局(ACAS) 行動規範

助言斡旋仲裁局(ACAS)行動規範は、職場における苦情申し立ての取扱いの原則を定めています。法的拘束力はありませんが、雇用審判所は、雇用主が合理的な理由なくこの規範に従わなかったと考える場合、雇用主に支払いを命じる補償金を最大25%増額することができます。

助言斡旋仲裁局(ACAS)行動規範に従うことは、公平性を確保し、法的リスクを軽減し、企業の評判を維持するための最善の対応策です。

苦情申し立ての解決と調停の役割

苦情申立手続の最終的な目標は問題の解決です。雇用主にはいくつかの選択肢がありますが、特に一般的なアプローチとして以下の2つが挙げられます。

  • 交渉(Negotiation):直接対話を通じて解決策に合意する方法。
  • 調停(Mediation):中立の第三者を介して話し合いを促進する方法。

調停は、紛争の長期化を回避するために特に有効です。調停の目的は、すべての当事者の権利を守る円満な解決策を見つけることです。 

3CSにできること

苦情申し立て調査の外部委託は非常に有益です。弊所の経験豊富な雇用法務チームは、以下をお約束いたします。

  • 公平性と専門性の確保
  • 雇用法および苦情申立処理に関する専門知識
  • 効率的な解決策の提供により、貴社が本来の業務に専念できる環境を整備

詳細については、ぜひお気軽にお問合せください。

Jo Cullen

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