2021年9月30日に17ヶ月間続いた一時自宅待機制度(Furlough Scheme)が終了しました。現時点では、一時自宅待機制度の終了が英国の企業や経済全体にどのような影響を与えるかは不明ですが、企業が短期的な一時自宅待機制度後の景気の落ち込みに直面した場合、雇用主は当然ながら状況の変化に対応する必要があります。
本ニュースレターのParts IとParts IIでご説明したように、整理解雇は理想的な解決策ではないかもしれません。雇用主は、一時的に支出を減らすことで、経済状況が改善したときに顧客の需要に応えられるようにする方法を検討したいと思うかもしれません。今回のニュースレターでは、従業員の仕事量を減らし、雇用主のコストを削減する方法を検討します。
どのような方法で給与コストを削減することができるでしょうか?
1. 時間外労働の禁止
従業員の時間外労働の権利が契約上のものである場合、雇用主は時間外労働の禁止を導入する前に従業員の同意を得る必要があります。最善の方法は、ビジネスが回復したときに、雇用主が時間外労働禁止を解除する権利を有することが明記された書面で、禁止への同意を従業員から得ることです。従業員が時間外労働をする明示的な契約上の権利を持っていない場合、雇用主は通常、時間外労働を禁止するために従業員の同意を得る必要はありませんが、例えば、雇用主が長期間にわたって常に特定のレートで割増賃金を支払っており、割増賃金を支払う権利が暗黙の了解となっている場合は同意を得る必要があります。
2. 短時間勤務
前回のニュースレターでは、経済的に厳しい状況下で、従業員をレイオフ(一時的解雇)するという選択肢についてご説明しました。レイオフが仕事のない従業員を帰宅させることであるのに対し、短時間勤務は従業員により少ない仕事をより少ない賃金(正確には1週間の通常賃金の半分以下)で提供することです。雇用主が従業員を短時間勤務に就かせたい場合には、法定の短時間勤務の手続きに従う必要があります。
レイオフと同様に、短時間勤務が長く続く場合は、従業員は通知を出して自ら雇用契約を終了する権利を得ることになる可能性があります(2年以上継続して雇用されている場合は、法定の整理解雇手当てを受け取ることができます)。つまり、雇用の中断の結果は、雇用主のコントールの喪失となる可能性があるということです。
3. フレキシブル勤務 / パートタイム労働
26週間以上継続して雇用されている従業員には、フレキシブル勤務の申請をする権利があります。雇用主は、整理解雇に直面するよりも、少ない仕事をより少ない賃金で働きたいと考える従業員がいかに多いかという事に驚くかもしれません。雇用主は、一時的なフレキシブル勤務に対する熱意がどれくらいであるかを測定するために、チーム、部門、または特定のレベルにわたるフレキシブル勤務の応募者を募ることも可能です。
これまでと同様に、これらの変更を実施する際には、効果的なコミュニケーションが鍵となり、雇用主はスタッフに対してオープンで誠実なアプローチをとることをお勧めします。
私たちは、このような困難な時期を乗り切るための、アドバイスとサポートを提供いたします。お問い合わせは、3CSの担当者までご連絡ください。