シニア・マネジャーおよび認証レジーム(Senior Managers and Certification Regime (SMCR))は、金融サービス業界にここ数年で最大の変化の一つをもたらしました。全企業(47000社)に、金融行為監督機構(Financial Conduct Authority’s (FCA)) の理想に沿った戦略の 導入、すなわちスタッフ全員の管理と統制がより厳格な体制の下で行われるよう、「所定の」役割を担う人材の配置と内部 プロセスの調整を義務付けています。しかし、企業が本当に期待されていることは何なのか、また貴社には適用されるのかを、 ここで見てみましょう。

 

なぜSMCRが導入されたのですか?

しばらくの間、FCAは、企業がどのような構造なのかを理解することに苦労しており、誰が何の責任を負っているかを定義したり、FCAが認可した企業のどこで意思決定が行われているのかを理解したりすることが難しいと感じていました。FCAは、企業内の 「担当」者を素早く理解し、どのような企業構造なのかを知りたいと考えていました。各社はそれぞれに非常に異なっており、 これにより多くの問題が生じたため、FCAは独自の理想的な「説明責任の枠組」の導入を決めました。

 

SMCRの焦点は何ですか?

新しい説明責任の枠組は、主に上級管理職に焦点を当てています。(FCAのガイドラインに沿って)上級管理職チームが誰かをより根本的に検討することと、上級管理職チームおよび彼らの同僚が限界点と期待値をはっきりと認識できるように、上級管理職 チームの具体的な責任を明確にすることを企業に義務付けています。また、結果としてFCAも認識するようになります。

 

SMCRの導入におけるFCAの主な狙いは何ですか?

FCAは、以下のことを期待しています。

• (基準の明確化を通じた)市場の健全性の更なる強化
• リーダーシップとガバナンスに関する文化の向上
• 顧客に対する損害の可能性の更なる低減

 

では、主な焦点は何ですか?

FCAは、以下の確認を要求しています。
• 明確に定義された「階層構造」および指揮命令系統
• よく定義されたガバナンス
• 管理職の責任の明確化およびそれをスタッフ全員に伝えること
• スタッフ全員に対する研修と能力(Training and Competence (T&C))の更なる強化、および「適合性および妥当性」のチェックとすべてのレベルでより良い行動基準の実施

 

結果-FCAは何を期待しているのでしょうか?

FCAは、明確なガイダンス文書を発行し、行動期限を定義しており、要求事項は非常にはっきりしています。主に期待していることは以下の通りです。

• 管理職が(自身および関係者のために)何に対して責任を負うのかを明確にすること
• 全スタッフの適合性、妥当性、スキル、能力をより重視すること
• 企業が、より標準化された構造や運営マッピングを用いて、責任を明確に示すこと
• 企業が、より標準化された手段を用いて、ガバナンス体制を明確に示すこと

 

SMCRの元では、全ての企業が同じ扱いを受けますか?

SMCRには、3つの企業タイプがあります。

• 限定的な企業 小規模企業および個人事業主
• 中核となる企業 ほとんどの会社は「中核となる企業」に分類
• 強化された企業 大企業のみ

企業の規模、複雑さ、スタッフ数のため、それぞれのタイプの企業がFCAから期待されることは多少異なっています。限定的な 企業よりも強化された企業の方が対応すべきことが多く、他方で中核となる企業はその規模と戦略に応じた適切な体制が適用 されます。

 

SMCRにおけるスタッフの種類/階層は何でしょうか?

スタッフには、4つの「種類」や「階層」があります。

シニア・マネージャー ‐ シニア・マネージャー機能(SMFs)を担い、FCAにより正式に承認された者
認証スタッフ ‐ 認証レジームの一員で、企業によってのみ「承認」された者
行動スタッフ ‐ 所定の行動規範(COCON)に従って業務を遂行しなければならない者
補助スタッフ ‐ 金融顧客と一切関わりを持たない者

 

どのようにスタッフの配置を確認すればよいでしょうか?

シニア・マネージャー ‐ 各担当分野において最終責任を負う取締役または上級「役員」
認証スタッフ ‐ 重要な「影響力」をもつ役割を担う、および/または重要なビジネスユニット/オフィスを管理する者
行動スタッフ ‐ 金融顧客を担当する企業内のその他全員

 

運営マッピングと構造図の違いは何ですか?

• マッピングでは、4つの異なる階層にスタッフを配置し、第一階層が一番上になる ようにページの下に並べます。たとえ第三階層の者が第一階層の者に報告する場合でも、指揮命令系統は明確に示されて いなければなりません。
• 構造図では、年功序列に従ってスタッフを配置しますが、これは必ずしも説明責任と同じではありません。構造図はより フラットなスタイルで、通常は部門ごとに分かれています。

 

誰が取締役となるべきですか?また、非業務執行取締役(NEDs)に対するスタンスはどのようなものですか?

多くの企業では、非業務執行取締役(NEDs)やシニアチーム(第一階層)の数名が取締役会の一員となっています。FCAは、 取締役会の主要メンバーが非業務執行取締役(NEDs)や上級管理職(第一階層)チームで構成されていることが多いことを認識しています。それは、非業務執行取締役(NEDs)は課題を提起し、有益な知識と経験を提供していることを認めているからです。多くの場合、取締役会において、情報に精通した非業務執行取締役(NEDs)が提供するガイドラインから(第一階層のスタッフは)価値を得ることができます。しかし、FCAは、ガバナンスと統制が第一階層に委ねられることを期待しています。取締役会は通常、 基本的な戦略的・商業的事項が審議される場であるため、第一階層チームは非業務執行取締役(NEDs)の支援を受けて、十分に包括的な結論を導くことができます。

 

SMCRについてはまだ多くのことがあり、本ニュースレターでは、情報提供として 簡単な概要を紹介しているにすぎません。3CSは、現在の貴社の制度を見直し、どこに弱みと強みがあるかについてコメントいたします。また、直接認可を申請 する新しい会社に対しても、支援やガイダンスを提供いたします。弊所にお役に立てることがあれば、ご連絡ください。

Karen Coomber

3CSコーポレートソリシターズ

リーガルアドバイスに加え、ソリューションを提供
お問い合わせ

お問い合わせ

3CSコーポレートソリシターズ


ロンドンオフィス
English (United Kingdom)
60 Moorgate, London EC2R 6EJ
+44 (0)20 4516 1260
info@3cslondon.com
地図を表示


東京オフィス
 Japanese
〒100-0005 東京都千代田区丸の内1-8-3
丸の内トラストタワー本館 20階
+81 (0) 3 5288 5239
info@3cstokyo.com
地図を表示

 

Please enter your name
Please enter your phone number
Please enter your email
Invalid Input
Invalid Input
Please enter your name

クライアント


当事務所のクライアント
The Legal 500 - Leading Firm 2025

Registered in England & Wales | Registered office is 60 Moorgate, London, EC2R 6EJ
3CS Corporate Solicitors Ltd is registered under the number 08198795
3CS Corporate Solicitors Ltd is a Solicitors Practice, authorised and regulated by the Solicitors Regulation Authority with number 597935


Registered in England & Wales | Registered office is 60 Moorgate, London, EC2R 6EJ
3CS Corporate Solicitors Ltd is registered under the number 08198795
3CS Corporate Solicitors Ltd is a Solicitors Practice, authorised and regulated by the Solicitors Regulation Authority with number 597935