商業用不動産の取得は、所有者、投資家、事業主にとって重大な判断です。投資が確かなものとなるよう、包括的な調査を実施する経験豊富な商業用不動産弁護士と連携することが重要です。
企業買収における不動産デューデリジェンスの主な要素には、以下が含まれます:
- 法的権原(legal title)の確認
- 売主への照会および調査の実施
- 計画、エネルギー効率、防火安全などの分野における法令遵守の確認
- 賃貸借の詳細確認
- 管理費の会計記録および管理情報の精査
法的権原
法的権原を確認する際、弁護士は、不動産が権利証書(deed)および図面(plan)において正確に定義されていること、また所有権が契約書に記載された売主の名義と一致していることを確認します。また、売主に対し、制限的約款(restrictive covenant)が遵守されているかについて確認を求めます。
弁護士は、当該不動産を希望する方法で利用することを妨げる事項が権原に存在しないこと、また通行権(right of way)など必要な地役権(easement)が設定されていることを確認します。
当該不動産に担保権(charge)が設定されている場合には、弁護士は売主側の弁護士に対し、これを抹消する旨の保証(undertaking)を求めます。
契約前照会
売主側の弁護士は、商業用不動産に関する標準的な照会事項に対する回答を提供します。これには以下の事項が含まれます:
- 境界の位置およびその管理者の確認
- 当該不動産に影響する権利および制限の詳細
- 当該不動産に接続されているものを含む、インフラ設備に関する情報
- 計画許可(planning consent)および建築規則承認書類(building regulations approval)の写し
- 浸水歴や既知の汚染を含む、環境問題に関する質問への回答
- 既存の賃貸借の詳細
- 不動産が付加価値税(VAT)の対象とされていて、かつその購入が継続事業移転(Transfer of a Going Concern)に該当する場合のVAT上の取扱い
- 売買対象に含まれるものと含まれないものを明示する設備(fixture)・備品(fitting)一覧
弁護士はこれらの情報を詳細に精査し、その後、売主側の弁護士に対して追加の照会事項一覧を返送します。
計画、エネルギー効率および防火安全
弁護士は、売主側の弁護士に対し、実施された改修を含む必要な計画許可一式および建築規則承認書類の提出を求めます。
また、最新のエネルギー性能証明書(Energy Performance Certificate)の評価を確認し、その評価結果に応じた影響について助言するとともに、防火リスク評価書(Fire Risk Assessment)の写しを求めます。
賃貸借
賃貸借付きで不動産が売却される場合、弁護士は次のような条件を含め、賃貸借を詳細に確認します:
- 賃貸借の期間
- 賃料保証金の有無
- 保証人の有無
- 賃借人が賃料を期日通りに支払っているか
- 賃借人の信用履歴
- 賃貸借の終了方法および中途解約条項の有無
- 修繕および保険に関する責任
- 転貸または賃借権譲渡の可否
- 賃料改定の仕組み
- 保有期間の保証(security of tenure)
管理情報
管理会社または管理代行業者が当該不動産を扱っている場合、弁護士は以下を含む一連の管理情報の提供を求めます:
- 管理会計
- 建物保険証書
- 管理会社または管理代行業者に対する未払金の詳細
- 紛争の詳細
- 賃貸借条件違反の詳細
- 予想される高額支出に関する情報
- それらの支出に充てるために保有されている金銭の詳細
- 管理会社または管理代行業者が、当該不動産を最低エネルギー効率基準(Minimum Energy Efficiency Standards (MEES))に適合させるための方法、およびそのための資金をどこから確保するのか
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