2030年までに、最低エネルギー効率基準(Minimum Energy Efficiency Standards (MEES))により、すべての民間賃貸住宅はエネルギー性能証明書(Energy Performance Certificate (EPC))でC以上の評価を満たすことが求められます。これは、現行のE評価からの 最低要件の引き上げとなります。
家主が知っておくべきこと
英国政府は、建物のエネルギー性能(Energy Performance of Buildings)制度の改革に関する協議において、現行のエネルギーコストという単一指標から、将来的には4つの指標を用いて評価を行うことを提案しています。その他の指標は、評価者に対し補助的な情報を提供する目的で用いられる可能性があります。
提案されている指標は以下のとおりです:
- 基本構造性能:建物の壁、床、屋根、窓の保温性を評価
- 暖房システム:効率および炭素使用量を含む評価。ガスボイラーなどの化石燃料暖房を使用している場合、C評価の達成が困難に
- スマート対応度:暖房制御、太陽光発電、蓄電池によるエネルギー貯蔵などのスマート技術の利用可能性を評価
- エネルギーコスト:年間推計額として算定
補助指標には以下が含まれます:
- エネルギー需要:現在のエネルギー使用状況に基づく評価
- 炭素指標:建物の排出量の概況
政府は2026年10月から新しいEPCの導入を目指していますが、この日程は野心的であることを認めています。新しい形式のEPCを住宅のエネルギー性能を評価する手法である住宅エネルギーモデル(Home Energy Model)とどのように整合させるかが検討されています。
新形式導入直後は、比較のため、エネルギー効率評価(Energy Efficiency Rating)の指標は新指標と併せて維持されます。
非住宅用物件については、引き続き単一の指標、すなわち物件の炭素影響を測定する環境影響評価(Environmental Impact Rating)に基づき評価が行われます。
早急な対応が必要
家主が物件の改修を必要とする場合、猶予期間は4年未満となる可能性が高いです。不動産ポートフォリオを保有する方は、全物件で規制を遵守し、引き上げられた罰則を回避するため、速やかに措置を講じることが推奨されます。
エネルギー評価を向上させる可能性のある対策には、次のようなものがあります:
- 屋根裏や壁などへの断熱材の設置
- 旧式のボイラーから最新のボイラーまたはヒートポンプへの交換
- 二重または三重ガラス仕様の窓への交換
- 必要に応じたすきま風対策
- 貯湯タンクや給湯配管を断熱
- 断熱性能の高いドアへの交換
- 照明器具の省エネ化
- 太陽光パネルや蓄電池の設置
現行のEPCには、改善のための推奨事項が記載されています。
改修工事に対する助成金制度がいくつか設けられています。また、現在、改善費用が£3,500(付加価値税(VAT)を含む)を超える場合、高額費用免除の対象となる可能性があります。根拠として工事の見積書を3通提出する必要があり、£3,500の範囲内で実施可能な改善はすべて行う必要があります。
賃借人が知っておくべきこと
新しい規制は、物件の断熱性を向上させ、熱損失を最小限に抑えることで、光熱費を削減することを目的としています。必要な基準を満たさない家主には、多額の制裁金が課されます。
あなたの物件の現在の評価がD以下である場合、家主がエネルギー効率を向上させるための工事を行うことが予想されます。これには、より効果的な断熱や暖房システムの交換などが含まれる可能性があります。
家主が義務を履行しない場合、賃借人は地方自治体へ通報でき、地方自治体はより強力な執行権限を行使することになります。
3CSにできること
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