フリーポートは、海外企業の誘致、投資の活性化、イノベーションの促進を目的とし、様々なインセンティブを提供し簡素化された手続を提供しています。このニュースレターではフリーポートの概念や海外企業へのメリットを解説し、対象となる投資の一般的な承認プロセスについてご紹介します。

フリーポートとは?

フリーポートは自由貿易区域や経済特区とも呼ばれ、事業者が税制や関税負担の軽減措置を受けることができる英国内の特定の地域のことです。フリーポートは、税制の優遇措置、簡素化された関税手続、効率的な計画プロセス、そして充実したインフラへのアクセスという企業にとって好条件な環境を提供します。

フリーポートはどこにあるのか?

イングランド

イースト・ミッドランズ空港 (East Midlands Airport): レスターシャーに位置し、先端製造業、物流、eコマースを対象としています。

フェリックストー/ハリッジ (Felixstowe and Harwich): それぞれサフォークとエセックスにあり、対象はデジタル、再生可能エネルギー産業です。

ハンバー (Humber): ハンバー地域のグリムズビー、イミンガム、およびグール港を含むエリアにあり、クリーンエネルギー、製造業、農産・食品業のハブとなることを目指しています。

リバプール都市圏 (Liverpool City Region): リバプール港とその周辺を含むエリアにあり、対象は海洋業、先端製造業、貨物物流です。

プリマス (Plymouth): デボンに位置し、海洋技術と先端製造業が重点エリアです。

ソレント (Solent): サウサンプトン港を含むエリアで、海洋業と先端製造業を対象としています。

テムズ (Thames): ロンドンゲートウェイとティルベリー港を含むテムズ川の河口エリアをカバーし、国際貿易、物流、先端製造業を対象としています。

ティーズサイド (Teesside): ティーズポートとハートルプールの港を含むエリアにあり、クリーンエネルギー、製造業および物流のハブとなることを目指しています。

ウェールズ

アングルシー (Anglesey): 海洋エネルギー技術と低炭素エネルギーを対象としています。

セルティック (Celtic): ミルフォードヘブンとポートタルボットをカバーするエリアにあり、浮遊式洋上風力発電などの二酸化炭素排出の削減に寄与する技術を対象としています。

スコットランド

インバネスおよびクロマーティ湾 (Inverness and Cromarty Firth)

フォース湾 (Firth of Forth)

フリーポートが海外企業にもたらす主なメリットは?

  1. 貿易の促進: フリーポートでは税関手続が簡素化されているため、行政手続の負荷が軽減され、商品の迅速な輸出入が可能となります。 
  2. 関税および税制上のメリット: フリーポートでは様々な税制上の優遇措置を受けることができます。例えば、優遇的な減価償却制度の利用や、関税、土地印紙税、社会保険料の雇用主負担分、事業税(非居住不動産に課される固定資産税)、付加価値税 (VAT)やフリーポート内で輸入・加工・再輸出される商品にかかる税金の免除または軽減措置が挙げられます。
  3. イノベーションとコラボレーション: フリーポートは、企業、大学、研究機関や起業家が連携しやすい環境を提供します。このエコシステムにより、知識の共有、研究開発や革新技術に関する活動の促進が見込まれます。 
  4. 特定産業における機会: 英国内の各フリーポートはそれぞれ特定の産業に対応しており、その産業に関わる海外企業に特化した機会を提供します。例えば、先端製造業、クリーンエネルギー、デジタル技術を対象とするフリーポートでは、これらの産業に特化したベネフィットや専門化されたサプライチェーンへのアクセスが可能です。これは当該産業で事業展開する企業にとって魅力的と言えるでしょう。

フリーポートへの参加が認められない産業は?

重要なポイントとして、フリーポートの税制優遇を受けられない産業もあります。例えば、住宅やレジャー産業、接客業などです。フリーポートへの進出を希望する企業は厳格な基準に基づいてその可否が決定されます。

土地印紙税軽減措置の適用期間は?

土地印紙税軽減措置の適用期間はフリーポート税務サイトに指定された日から2026年9月30日までであり、軽減措置の申請提出期限は2027年10月14日です。購入日から3年間は管理期間となり、この期間中、土地や建物を適格条件に応じて使用しなければなりません。この条件を満たさない場合、軽減措置は撤回され追加の土地印紙税申告が必要になります。また、軽減措置を申請するためには、取引日から14日以内に土地取引申告書を提出する必要があります。詳細はこちらからご確認いただけます。

社会保険料の雇用主負担分に対する軽減措置の条件は?

2022年4月から2026年4月までに新たに雇用された従業員について、社会保険料の雇用主負担分に対する軽減措置を36か月間受けることができます。雇用主が適格条件を満たしていれば、すべての新規雇用者に対し、年間最大2万5千ポンドまで、雇用開始日から36か月間の軽減措置の申請が可能です。詳細はこちらからご確認いただけます。

フリーポートへの投資の一般的な承認プロセスは?

投資承認プロセスには4つのフェーズがあります。

フェーズ1: フリーポートの運営委員会と土地所有者が四半期毎に行うレビューにおいて、税務サイト(優遇措置の対象となる敷地)のテナントになる可能性がある企業のリストが提示されます。

フェーズ2: 交渉の初期段階として、税務サイトの土地所有者とテナント候補者の間で基本合意書を取り交わします。 

フェーズ3: 土地所有者とテナントの間で契約条件を最終調整します。その後、テナントがフリーポートのテナント条件に合致しているか、契約後に求められる必要事項を満たすことができるかの確認が、土地所有者(または大家)により行われます。

フェーズ4: 契約締結後に迎える最終フェーズでは、テナントが引き続きフリーポート投資ポリシーの基準に従っていることをフリーポート運営委員会が半期毎に確認します。

3CSにできること

3CSでは商業用不動産に関するあらゆる法的事項についてサポートが可能です。私共には国際的な物流会社のクライアントに代わって複雑なフリーポートでの不動産リース契約の交渉・締結を最近成功させた経験と、この分野に関する専門性があります。ご相談や詳細については担当者へお問い合わせください。

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