スーパーマーケットチェーンのAsdaの従業員によって提起された、継続中の同一賃金の請求は、先日、連合王国最高裁判所(Supreme Court)が、(主に女性の)Asdaの小売労働者の仕事と(主に男性の)Asdaの流通労働者の仕事を比較することで、小売労働者は同一賃金の請求を進めることができるとした控訴裁判所の決定を支持したことから、大きな話題となりました。本訴訟では、2010年平等法の条項、およびこれら2つのグループが異なる事業所で働いていたとしても比較することができるかどうか、について検討されました。
この判決は重要で、多くの雇用主が自社の給与体系について予期せぬ影響を受ける可能性があります。
同一賃金訴訟は、複雑で時間と費用がかかる可能性があります。この訴訟には複数の段階があります。第一段階が完了したのち、第二段階では、雇用審判所が、職務の遂行に必要なスキル、知識、努力のレベルの観点から、関連するAsdaの仕事に他の仕事と同等の価値があるかどうかを判断します。そして、仕事の価値が同等であると決定づけられた場合には、雇用審判所は、店舗労働者と流通センター労働者の間の賃金差を説明する、性別に関連しない正当な理由があるかを検討します。最後に、もし正当な理由がない場合には、雇用審判所は、小売労働者の大規模なグループに対して、過去6年間にさかのぼった賃金報酬を支払うよう決定することができます。言う間でもなく、これは非常に高額なものとなります。
今回の判決により、Asdaだけでなく、その他のスーパーマーケットチェーンや、同様の人員配置を行っている他の業界においても、同様の「同一賃金」を主張する従業員が増える可能性がでてきました。
同じ仕事をする男性と女性には同一賃金が支払われるよう法律上要求されていることは、周知のことです。しかし、「同一価値」労働の概念はあまりよく理解されていません。Asdaの判決は、雇用主が、業種や業界を問わず、事業全体の給与体系について同一価値労働の概念を検討する必要があることを浮き彫りにしました。主に男性、または主に女性の労働者グループが特定の仕事を異なる賃金率でしている場合、雇用主にとっては特に重要です。
潜在的な「同一価値」の主張から事業を保護するために、雇用主は、職務評価を実行し、その結果を用いて賃金体系を見直すことができます。これらのアセスメントは、組織内で同一価値労働を行う女性と男性の賃金レベルに差があるかを特定するのに役立ちます。これにより、雇用主は、主張が起こる前に、その差について積極的に対処することができます。さらに、そのようなアセスメントにより、現在の職務の内容、要件、義務が、事業のニーズとどのくらい合致しているかを評価し、生産性向上のため雇用主がどのように仕事を改善、再編成するべきかを導くことにも役立ちます。
上記の内容や、貴社の事業にどのような影響があり得るかについて、詳細の情報をご希望の方は、3CSの担当者までご連絡ください。